聲の形

映画化されたことで、この作品を知る人も多くなりました。
「聲の形」(大今良時)

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この作品はとても微妙なテーマを扱っており、人によって随分違った印象を受けるようです。
web上には嫌なレヴューもあり、とても残念です。

そんなに特別に見なくても、硝子は普通の女の子なんですよ。
恋愛もするし、悩みもする。
それは他の登場人物達となんらかわらない。
聴覚障害者の硝子だけでなく、他の全員が周囲とのコミュニケーションに悩んでいる。

そんな少年少女達が集まって映画を作る青春群像劇…という一面もある作品なのですが

映画版では映画製作の件を大胆にカットして、硝子と将也のストーリーにスポットを当てた作品としていました。
原作も映画版もどちらもとても良い作品です。

作者の大今良時氏のお母様が手話通訳者であり、作中にリアルな手話や聴覚障害者に起こりやすい問題の描写があります。
だからこそ、普通の女の子として硝子を描いている部分も感じます。
問題提起だなんだといった上から目線じゃなく、普通の女の子を見せてくれます。
映画の脚本を吉田玲子さんが担当したのは、そういう意味で大正解だったと思います。
映画を見ている間、硝子が聴覚障害者だという事をまるで意識せずに、可愛い女の子として見ていましたから。
キャラクターを「絵空事のキャラクター」としてではなく、「ひとりの人間」として実存感をもって扱うという山田尚子監督の功績も大きいでしょうね。

この作品は、人間の嫌な部分をたくさん描いています。
大人達の身勝手さに怒り、子供たちの残酷さに悲しくなります。
そして身に覚えのある読者(あるいは視聴者)自分自身にもそれが響いて来ます。
それでいて、笑いながら楽しめる要素もちりばめられています。
とても濃い作品ですね。

私の評価は、原作も映画も最高ランクです。

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  by tak_a86 | 2016-10-17 00:04 | コミック、ノベル、アニメ | Comments(0)

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